4.電柱について
4-1 コンクリート柱の点検
木柱については、一部でまだ現役で頑張っているものが有るようですが、ほぼコンクリート電柱に変わり耐久性が上がりました。
幸いコンクリート柱の劣化による倒壊はまだあまり聞こえてこないが、今後更新時期が訪れるため、ある程度の知識は必要と思われる。
最悪倒壊すると被害が大きいことから劣化状況の確認および更新の提案は重要である。
またPASやケーブルを更新してから数年以内で電柱を更新するのでは、経済的にコストがかかるため、周辺の劣化状況もよく確認する必要がある。
点検については主に電柱のひび割れ、コンクリートの剥離、反り、曲がりなどを確認するが詳しくは、コンクリートポールの点検手引きをご参照ください。
柱種の意味
例8−14−2→長さ8m-頭部直径14cm-設計荷重2.0kN
4-2 電柱の話
●鉄道会社のコンクリート柱劣化の考え方
寿命は60年としている事業所が多く、強度低下の原因は次の要因がある。
鉄筋は腐食による減肉や破断により引っ張り強度が低下し、コンクリートは剥離、大ひび割れにより圧縮強度が低下する。
(鉄筋の腐食による膨張でコンクリートは剥離し、鉄筋の腐食はコンクリートの中性化・塩化イオン等により発生する)
W/C比50パーセントでは、中性化スピードは遅く鉄筋位置まで100年ほど 。
曲げ強度は、鉄筋とコンクリートの状態が良ければ、経年により劣化は見られない。
コンクリート剥離幅100mm以内は許容範囲で、ひび割れの速やかな補修は有効。(実例はあまりない)
参考: コンクリート柱の取替基準
●機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表では
鉄筋コンクリート柱は配電用のもので42年。
●東北電力の資料 電柱のリサイクルについて
東北電力では電柱の寿命40年
●最古の電柱は
日本最古のコンクリート電柱は大正12年。
●パンザマストについて
構内柱はコンクリート柱が主流ですが、まれにパンザマストの場合も見受けられる。
耐食性に優れており耐用年数は長いが、サビが生じると劣化が早くなるので、サビやすい地表付近など念入りに点検しましょう。